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工場で働くための適性とは?向いている人、いない人。

こんにちは。

「未経験歓迎」

「丁寧に教えます」

とは言いながらも、工場の業務内容は、

時に命に関わる、重大な危険をはらんでいます。

気軽に始めることはできても、

気を抜いてできる仕事ではありません。

今回は、工場で勤務するにあたっての、

向き、不向きについてお話しします。

「誰でもできる、簡単なお仕事です」・・・とは言っても。

工場に限ったことではありませんが、

現代の業務内容の多くは、かなり細分化されています。

たとえば工場でも、

A(受付) → B(検査) → C(加工) → ・・・

というように、個々のスタッフが行う作業は、

限定的であることが多くなっています。

さらに、その限定された作業もまた、

細かいマニュアルや専用治工具、

人数指定やチェックシステム、といった決めごとが設けられ、

「ミスが発生しない仕組み」をゴールとして構築されています。

仕組み化された作業なら、ミスは起こらない?

となると、ミスなんて発生しないはず、となるはずなのですが。

それでも、トラブルは発生するのです。

その原因は、

  1. ルールを守り切れていなかった
  2. 計算外の状況が発生した(想定に穴があった)
  3. 変化への対応が不十分だった

大きく分けて、この3つのどれかにあてはまることが多いようです。

1は、人為的ミスです。

  守るべき決まりを守らなかったことが原因です。

2は、システムの不備です。

  すべてを予測するのは、難しいものです。穴が見つかれば、都度修正します。

3は、柔軟性の欠如です。

  人、モノ、環境。変化があれば、作業内容の変化についても考慮が必要です。

どれも起こりうるもので、実際に目の当たりにしてきました。

しかし、残念なことに最も多いのは、1の人為的ミスです。

「ルールを守るだけ」といっても、100%守ることは難しい。

  • 作業への理解が十分でない・思い込み
  • 集中力の欠如・うっかり
  • ルール遵守が難しい状況にある
  • 他の要因(納期、人数、機材、場所、順序その他)

初めての作業の前には、

手順・注意事項について説明があるものです。

そのうえで、実際の作業の手引きに入りますが、

十分に内容を理解していなかったり、

あやふやな状態で作業を行うと、ミスに繋がります。

上のリストでいうなら、後半の2つは「仕組み上の問題」で、

作業員側の問題とはいえません。

しかし前半の人為的な部分こそが、工場作業における適性と呼べるものでしょう。

危険について理解し、警戒し、回避に努めること。これらは必要不可欠。

前段でも少し触れてはいますが、

危険予知、ルール遵守、エラー回避、という一連の行動は、

工場勤務に限ったものではありません。

どんな仕事であっても、同質の行動は求められます。

そのうえで、製造の現場でこれらが声高にうたわれるのは、

危険な作業に直接関わる可能性があるからにほかなりません。

集中力を高め、危険を意識し、決められた作業を継続できるメンタル。

つまり、工場勤務に携わるうえで最も必要となるのは、

この危機を回避するための素養です。

現代の製造現場は、上述のように業務の細分化もなされ、

システム面からトラブルの発生を抑え込む方向に構築されています。

それでも、0%にはならないトラブル発生率を少しでも0%に近づけようとするとき、

そこには「人の力」が絶対に必要です。

  • 目の前の状況を観察し、油断なく作業に集中する力
  • 起こりうる可能性を想定し、備える力
  • 変わらない(事故が起きない)状況に、飽きることなく作業ができるマインド

前回お話しした資格やその他の技術よりも前に、これらが必要です。

もし、これらが自分にはない、上記のような行動はできない、と感じるのであれば、

工場勤務は避けた方がいいでしょう。

とくに大きな機械を使用する現場では、

ひとつのケアレスミスが、重大な結果を招くかもしれません。

安全に、確実に、自分の仕事をこなすこと。

今回お話しした内容は、製造の現場で勤務するうえで

絶対に必要な部分なので、

やや堅苦しい表現が続いてしまいました。

しかし、繰り返しにはなりますが、これらは

工場勤務に限った内容ではありません。

工場勤務ではとくに大事ではありますが。

安全第一はすべてにおいて一番重要なこと。

例えば車の運転。

集中し、危険を予測し、どんな状況でも安全運転を続ける。

例えば料理。

集中し、危険を予測し、どんな状況でも火や刃物をコントロールし続ける。

例えば散歩。

集中し、危険を予測し、どんな状況でも自転車や車の状況を把握して歩き続ける。

決して、工場勤務だけが特別なわけではありません。

起こりうる危険の大きさが違うため、より注意が必要であるにすぎません。

生きるために、人は働くのですから、

働いた結果、自らを追い込むのでは本末転倒ですよね。

身を守るために、ルールを守るのです。

これが、工場で勤務するうえで、最も大切なことです。

きちんと働いて、元気に家に帰りましょう。

それではまた次回。

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